妊娠中はいつもより多めの水分補給が必要です。しかし、妊婦さんの食生活はダイレクトに赤ちゃんへ影響するため、体に悪いものは口にしたくないですよね。妊娠中は食べてはいけない食品があるように、飲み物選びも注意が必要です。
そこで今回は、妊婦さんにおすすめの飲み物と妊娠中は避けた飲み物について詳しく解説します。
妊娠中は通常よりも水分補給が大切
妊娠中は体が脱水症状を起こさないように、通常よりも水分補給に注意しなくてはいけません。妊娠すると子宮の周囲に増えた脂肪をエネルギーに変えようとするための代謝が高まり、妊婦さんの体は汗をかきやすく水分を失いやすいからです。
また、妊娠すると赤ちゃんへ酸素と栄養を送るため血液の量が増えるので、血液の流れをよくするためにも水分補給が重要です。さらに、羊水の量を安定させることや、妊娠中に起こりやすい便秘解消のためにも、妊婦さんは1日2Lの水分摂取が望ましいといわれています。
妊娠中におすすめの飲み物
妊娠中の水分補給は大切です。しかし、母親が口にしたものは赤ちゃんの体にも影響するため、なにを飲んでもいいというわけではありません。妊娠中でも安心して飲めるおすすめの飲み物には、次のようなものがあります。
麦茶
麦茶はミネラルや食物繊維が豊富に含まれる、ノンカフェインの飲み物ですので、妊娠中も安心して飲むことができます。しかし、冷たい麦茶を飲み過ぎると体を冷やしてしまうため、妊婦さんは常温かホットで飲むことをおすすめします。
タンポポ茶
タンポポ茶は、血行促進効果があることから、体を温めてホルモンバランスを整える効果が期待できるノンカフェイン飲料です。他にも、便秘の改善や母乳の出をよくすることに役立つとされ、妊娠中から授乳中までタンポポ茶を飲み続けている妊婦さんは多いようです。
ルイボスティー
ルイボスティーは、妊娠中に必要な鉄分やミネラルが豊富に含まれている、ノンカフェイン飲料です。ルイボスティーもハーブティーの一種ですが、子宮への悪影響がなく安心て飲むことができます。また、あっさりした味で飲みやすく妊娠中の便秘対策としても役立ちます。
牛乳
牛乳は、カルシウム、タンパク質、ミネラル、ビタミンなど、栄養バランスがよいことから、妊娠中は積極的に飲むことをおすすめしたい飲み物です。母親が妊娠中に牛乳を飲むと、赤ちゃんが牛乳アレルギーになるという説もありますが、化学的に証明されているわけではありません。
妊婦さんが牛乳アレルギーでなければ、妊娠中も安心して飲むことができます。ただし、牛乳の飲み過ぎはよくありませんので、1日200~400mlを目安に飲むようにしましょう。
妊娠中は控えたい飲み物
妊娠中は体に刺激の少ない飲み物が良いということがおわかりいただけたと思います。次にご紹介する飲み物は、お母さんの健康と赤ちゃんの成長のために、妊娠中は控えたい飲み物です。
お酒
妊婦さんがお酒を飲んだ場合、胎盤を通して赤ちゃんにアルコールが届き、胎児性アルコール症候群や流産などのリスクを高めるため危険です。体が未熟な胎児はアルコールを分解することができず、脳や神経などの発達に影響して、先天異常などを発症してしまう可能性があります。妊娠中はアルコール全般を禁酒することが重要です。
カフェインやタンニンが含まれる飲み物
コーヒー、緑茶、ウーロン茶、紅茶など、カフェインやタンニンが含まれる飲み物は、死産のリスクを高めることや胎児の発育に悪影響があるため、妊娠中に飲むことは控えたいです。さらに、カフェインやタンニンには鉄分の吸収率を下げる作用があり、鉄分不足による鉄欠乏性貧血のリスクを高めます。
ただし、カフェインをがまんすることで妊婦さんがストレスを感じるならば、コーヒーを1日150~200mlまで飲んでも大丈夫といわれます。悩んだときは、主治医に相談してみましょう。
ハーブティー
ハーブティーは中には、妊娠中に飲んではいけない種類があります。ローズマリー、セージ、マテ、ジャスミンなどのお茶は、子宮を収縮させたり、下痢を起こしたりする可能性があるため注意が必要です。
妊娠中にハーブティーを飲むときは、妊娠中でも飲めるかどうか注意書きを確認することが重要です。わからないときは、主治医に必ず相談するようにしましょう。
硬水のミネラルウオーター
硬水のミネラルウオーターは、ミネラルが豊富に含まれていることから、一見すると問題ないと思われがちです。しかし、飲み過ぎた場合はミネラルを体に摂り込む役割の腎臓に負担がかかるため、妊娠中は控えたいです。
また、硬水のミネラルウオーターは、海外から輸入されているものが多いですが、海外と日本では殺菌の基準が異なるので、安全面にも注意が必要です。
妊娠中の飲み物は自分に合ったものを選ぶことが大切
妊娠中は体のむくみを気にして水分補給を控える妊婦さんもいますが、それは間違いです。妊娠中は血液の量が増えることや汗をかきやすいため、忘れず水分を摂る必要があります。体の水不足になった場合、つわりが悪化した妊娠悪阻(にんしんおそ)を起こして入院が必要になる可能性も出てきます。
つわりのある時期は、匂いや味の好みが変わり、それまで平気だったものが飲めなくなることもあります。今回ご紹介した妊婦さんにおすすめの飲み物とNGな飲み物をヒントに、自分の体に合った飲み物を見つけてください。