妊娠中のアルコール摂取で注意したい胎児性アルコール症候群とは

妊娠中の飲酒は赤ちゃんの低体重、流産、死産のリスクを高めるため控えるべきといわれています。そのため、妊娠が判明したらほとんどの妊婦さんが禁酒をしますが、具体的にはどのような影響があるのか知らないという人も多いようです。

そこで今回は、妊娠中の飲酒が原因で起こることのある、胎児性アルコール症候群について詳しく解説します。

妊娠初期のアルコールは赤ちゃんに影響あるの?

妊娠していると気づかずに、アルコールを飲んでしまった経験のある妊婦さんは多いようです。妊娠中の飲酒は赤ちゃんの成長に影響をあたえるため、アルコールを飲んだことを気にする方も多いですが、妊娠0~3週の妊娠超初期の飲酒は胎盤が完成する前のため、赤ちゃんへの影響はほとんどないといわれています。

ただし、厚生労働省の発表では、妊娠が判明する前に大量のアルコールを飲んでいた場合は、胎児の発育に影響をあたえて流産や胎児性アルコール症候群のリスクを高めるということです。

妊娠の時期とアルコール量がどのように影響するのか、詳しい原因は解明されていませんが、妊娠が判明したときはもちろんのこと、妊活中であれば妊娠前からアルコールを控えたほうが安心といわれています。

胎児性アルコール症候群とはどんな病気?

胎児性アルコール症候群とは、母親が妊娠中に飲んだアルコールが原因で胎児に発生する先天性疾患の総称です。胎児性アルコール症候群の発生は飲酒量と比例しており、妊娠中の飲酒を続けたアルコール依存症の母親から誕生した赤ちゃんは、約30%が胎児性アルコール症候群を発症していたというデータがあります。

胎児性アルコール症候群の症状

妊娠中は胎盤を通して、母体が口にした栄養が胎児に送られています。母親が飲酒したアルコールは、通常なら肝臓で無毒化しますが、飲酒量が多いと血液中にアルコールが含まれたまま、胎児へ供給してしまいます。

体が未熟な胎児は自らの力でアルコールを分解できないため、ダメージを受けて発育に影響が出るため注意が必要です。胎児性アルコール症候群では、次のような症状が赤ちゃんに現れるといわれます。

顔や頭蓋骨の奇形

胎児性アルコール症候群の症状の一つに顔や頭蓋骨の奇形があります。特徴的な症状は、頭が小さい小頭症、眼球が小さい小眼球症、平らな顔つき、上くちびるが薄いなど特異的な顔形をしています。また、見た目の他にも心臓の奇形、難聴、関節異常などをともなうこともあります。

発達障害による低体重

母親が妊娠中に飲酒を続けた場合、発育に影響して低体重や低身長を起こすリスクが高くなります。妊娠中にアルコールを飲まなかった妊婦さんから生まれた赤ちゃんと比較した場合、約5~10%小さく生まれてからの成長も遅いというデータがあります。しかし、体の発育は成長するにつれて目立たなくなっていくといわれます。

中枢神経の障害

胎児性アルコール症候群では、成長するにつれADHD(注意欠陥・多動性障害)、うつ病など、中枢神経の問題が現れることもあります。ADHDの場合は、不注意、じっとしていられない多動性、思いついたまま行動する衝動性などの症状が、乳児期を過ぎたころから少しずつ見られるようになります。

軽度のADHDであれば、一般的な子供に見られる行動と区別することは難しく、周囲の大人が気づかないまま成長することも多いです。しかし、軽度以上の場合は、学校へ通うようになってから学習の遅延などの問題が起こることもあるため、小児科や心療内科などを受診する必要も出てきます。

胎児性アルコール症候群の治療と予防法

胎児性アルコール症候群には、残念ながら治療法が存在しません。そのため、妊娠中にアルコールを控えることが唯一の対策といえます。少量の飲酒では胎児性アルコール症候群の心配はないともいわれますが、飲酒をしなければ予防できる病気なので、不安を取り除くためにも妊娠中の禁酒が重要です。

妊娠中はノンアルコールドリンクを飲んでも大丈夫?

アルコールを飲めない妊娠中でも、お酒の雰囲気を楽しめる飲みものとして、ノンアルコールドリンクがあります。ノンアルコールドリンクは、ビールやカクテルなど種類が豊富で、完全にお酒をやめることができないという妊婦さんに人気があります。

ノンアルコールドリンクには、アルコールのような作用がないため、基本的には妊娠中に飲んでも大丈夫です。ただし、飲み過ぎは禁物です。正確にはアルコール分0.05%以下のものをノンアルコールドリンクと呼ぶため、商品によっては微量のアルコールが含まれているものもあるからです。

また、ノンアルコールドリンクに使用されている着色料や酸化防止剤などの添加物は、摂り過ぎると体のむくみを起こすこともあるため、十分に注意しましょう。

妊娠が判明したらアルコールはやめることが大切

胎盤がまだできていない妊娠超初期は、妊娠に気づかずにアルコールを飲んだとしても少量なら心配はないとされます。しかし、妊娠中は赤ちゃんの成長に影響をあたえて、流産や死産のリスクも高めるため、妊娠が判明したらすぐにアルコールをやめることが大切です。

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また、出産後は母乳にアルコールが含まれる危険があるため、授乳が終わるまでの禁酒が必要になってきます。お酒が好きな妊婦さんにとっては、ストレスを感じることもあると思いますが、違ったリフレッシュ方法を見つけて、卒乳までは禁酒をがんばってください。

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