高齢出産は何歳から?出産におけるリスクと注意点

近年は女性の社会進出と平均的な結婚年齢の高まりから、高齢出産が増えてきました。一般的に高齢出産はリスクが高いといわれますが、具体的にはどのような特徴があるのか知らないという人も多いようです。

そこで今回は、高齢出産の特徴とリスクについて詳しく解説します。高齢出産における取り組みもご紹介していますので、併せて参考にしてください。

何歳から高齢出産になるの?

高齢出産とは、世界産婦人科連合(FIGO)では、35歳以上の初産婦、40歳以上の経産婦と定義しています。日本産婦人科学会のガイドラインでも35歳以上の初産婦と定義されており、35歳以上で第一子を生むことを高齢出産と呼ぶことが一般的です。

日本では女性の社会進出や晩婚化の影響から、全出産数の約22.5%が高齢出産とされ、5人に1人が35歳以上の妊娠と出産で誕生した赤ちゃんといえるようになりました。

高齢出産で考えられる5つのリスク

体は加齢とともに変化をすることから、高齢出産になると母体と胎児に負担がかかり、さまざまなリスクが出てきます。高齢出産における代表的なリスクには、次のようなものがあります。

1.妊娠しにくくなる

年齢を重ねると卵子の質が下がることから、35歳以上になると自然妊娠の確率は低くなります。また、パートナーも高齢の場合は精子の老化も影響して、受精や着床が難しくなり、人工授精や体外受精などの不妊治療でも、妊娠が簡単ではなくなってきます。

参考:知っておきたい妊娠の確率と自然妊娠のためにできること

2.妊娠中に病気にかかりやすい

高齢出産は赤ちゃんだけでなく、母体にも大きな負担がかかります。そのため、妊娠中は高血圧、むくみ、タンパク尿などが起こるなどの症状が出る、妊娠高血圧症候群になりやすいことが特徴です。

妊娠高血圧症候群の発生は卵巣の機能低下が関係しており、発生頻度は妊婦全体の約10%ですが、35歳以上で14~18%、45歳以上になると30%といわれるように年齢を重ねるごとにリスクが高くなります。また、その他にも妊娠糖尿病、甲状腺疾患、子宮筋腫などが起こりやすくなり、流産などの原因になる可能性もあります。

参考:妊娠中に起こりやすい妊娠高血圧症候群の原因と赤ちゃんへの影響

3.染色体異常が起こりやすくなる

高齢出産では、ダウン症など染色体異常児が生まれるリスクが高まるといわれます。ダウン症の原因の一つは、卵子や精子の老化が関係して染色体に異常が発生すると考えられています。年齢別の割合では、30歳前後の出産でダウン症の発症確率は約1,000人に1人ですが、40歳では約100人に1人といわれます。

参考:高齢出産はダウン症児の確率が高くなる?病気の特徴と羊水検査とは

4.流産や早産になる確率が高くなる

高齢出産は、流産や早産の確率が高まることも特徴です。流産や早産の原因は、染色体異常が関係していることが多く、切迫流産や切迫早産による帝王切開で、出血過多を起こすこともあります。

参考:流産が起こるリスクはどれくらい?流産の種類と注意点

また、高齢出産では、赤ちゃんと母体をつなぐ胎盤が剥がれる常位胎盤早期剥離のリスクも高くなります。常位胎盤早期剥離の発生確率は全体の約0.3~0.9%ですが、高齢出産の場合は赤ちゃんと母体への負担が大きいため、最悪の場合は命の危険につながります。40代の産婦死亡率は、20代と比較して20倍高いといわれています。

参考:葉酸で胎盤早期剥離は防げるの?妊娠中も摂りたい葉酸の効果

5.難産になりやすい

高齢出産では加齢による体力の低下や産道の硬さから、出産がスムーズに進まず難産になりやすいことも特徴です。難産の場合は帝王切開を選択することも多く、感染症や血栓症などのリスクを高めることにつながります。また、無事に出産を終えた後は、体力や子宮の回復に時間がかかるといわれています。

安心して高齢出産を行うためにできること

高齢出産は確かにリスクがあるためデメリットが目立ちますが、メリットもあると考えられています。例えば、高齢出産は経済的・精神的に余裕をもって出産や子育てに取り組めるケースが多いといわれており、体の面では子宮体がん(子宮内膜がん)の発生リスクを下げるともいわれています。高齢出産を安全に行うためには、次のようなことに取り組むことをおすすめします。

1.出生前診断を受ける

高齢出産は、ダウン症など染色体異常が発生するリスクが高まることから、希望すれば出生前診断で胎児の健康を調べることができます。ただし、検査の内容によっては流産のリスクもあるため、医師としっかり相談して判断しましょう。

2.妊娠中は塩分とカロリーの摂り過ぎに注意する

高齢出産は、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病を発症しやすくなるため、食生活に注意が必要です。塩分を控えて高血圧を防ぎながら、カロリーを抑えて糖尿病を予防するようにしましょう。

3.葉酸を摂取する

葉酸は卵子や精子の細胞分裂に影響をあたえることから、妊娠前から摂取するとダウン症など染色体異常の予防につながるといわれます。染色体異常は卵子と精子の異常が原因とされますので、女性だけでなく男性も一緒に摂ることが望ましいです。

参考:女性だけじゃない!男性にもおすすめの葉酸サプリの効果

4.ストレスを溜めない

高齢出産は妊娠確率が下がるため、なかなか妊娠しないことや不妊治療の大変さからストレスを感じることがあります。しかし、ストレスはホルモンバランスを崩して不妊の原因になったり、妊娠中では胎児の成長に影響したりすることもあるため、できるだけストレスを溜めないよう過ごすことが大切です。

高齢出産はリスクをともなうこともあるため、大変なイメージがありますが、元気な赤ちゃんを産んでいる方も多いです。不安なことは専門家と相談しながら、安心できる出産にのぞんでください。

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