妊娠中に摂取したほうがいいビタミンと控えたいビタミン

妊娠中は栄養面に十分な配慮が必要です。妊婦さんの体に重要な栄養素の一つにビタミンがありますが、一口にビタミンといっても積極的に摂りたいものと、過剰摂取に注意が必要なビタミンがあります。

ここでは、妊娠中における正しいビタミンの摂り方と、体に必要な摂取量について詳しく解説します。ぜひ、赤ちゃんとお母さんの健康管理の参考にしてください。

妊娠したら積極的に摂取したい4種類のビタミン

妊娠中に摂取した栄養素は、赤ちゃんと母体の体に大きな影響をあたえます。そのため、栄養バランスを意識することは重要ですが、次にご紹介するビタミンは意識して摂取することが理想的とされます。

1.葉酸

葉酸とは、ビタミンB9とも呼ばれる水溶性のビタミンの一種です。葉酸は細胞分裂や遺伝子の情報伝達に深く関わっていることから、胎児の体が形成される妊娠初期に摂取することで、神経管閉鎖障害などの先天異常を防ぐ効果があるといわれています。

参考:葉酸で発症リスクが低減できる神経管閉鎖障害とはどんな病気?

葉酸は食事から摂取することもできますが、特に葉酸を必要とする妊娠前から妊娠3か月までの時期は、毎日の食事から240ug摂取することに合わせて、葉酸サプリを400ug摂るよう厚生労働省から推奨されています。

ただし、葉酸は摂取量の上限が定められており、過剰摂取すると体調不良を起こすこともありますので、1日1,000ugを超えないことが重要です。

参考:葉酸の過剰摂取が妊婦さんにあたえる影響と副作用

2.ビタミンB12

ビタミンB12は葉酸とともに、骨髄の細胞分裂をサポートして赤血球の合成を助ける役割があることから、妊娠中の貧血予防のために摂りたい栄養素です。ただし、血液を作るためには、葉酸の協力が必要ですので、ビタミンB12と葉酸は一緒に摂取することがポイントです。妊娠中のビタミンB12の摂取量は、1日2.8ugが推奨されています。

参考:妊娠すると貧血になりやすい!?知っておくべき貧血の対策法

3.ビタミンB6

ビタミンB6は、食事から摂取したタンパク質をエネルギーに変える働きや、皮膚や粘膜を健康に保つ役割のあるビタミンです。このビタミンB6には、つわりの症状を緩和する効果があることから、妊娠中に摂ることが勧められているビタミンでもあります。

つわりの症状は個人差がありますが、妊娠5~6週あたりから始まり、ほとんどが妊娠12~16週頃に落ち着くため、ホルモンバランスの変化からくる妊娠初期の生理現象と考えられています。

参考:妊娠中のつわりはいつまで続くの?つわりの基礎知識と対策法

また、つわりはアミノ酸の一種であるトリプトファンが正しく代謝できないことで吐き気をもよおすこともあるとされ、ビタミンB6はタンパク質の合成を助けることから、病院の治療でビタミンB6の点滴が行われることもあります。

妊娠中はビタミンB6を1日1.4mg摂ることが理想的です。ただし、ビタミンB6を過剰摂取した場合、神経障害などの副作用が出ることもありますので、1日45mgの上限摂取量を超えないように注意しましょう。

4.ビタミンC

妊娠中に摂取したい栄養素には、ビタミンCもあります。ビタミンCはコラーゲンを作り出して骨や血管、皮膚などを強くする働きがあることから、胎児と母体の健康を守るためには欠かせない栄養素です。また、ビタミンCは脳の成長にも影響をあたえるため、不足すると学習や記憶を管理する脳の海馬の発達が悪くなることもあるといわれます。

さらに、ビタミンCには鉄分の吸収を助ける役割もありますので、妊娠中に鉄分と一緒にとることで母体の貧血予防にも役立ちます。妊娠中のビタミンCの摂取量は、1日110mgが理想的です。

妊娠中の摂り過ぎに注意が必要な3種類のビタミン

ここまでご紹介してきた、妊娠中に摂りたいビタミンは、どれも水に溶けやすい水溶性ビタミンです。水溶性ビタミンは体に蓄積することができず、余ったものは尿と一緒に排出される特性をもっています。

ビタミンには水溶性と脂溶性がありますが、もう一つの脂溶性ビタミンは過剰に摂取すると体内に蓄積する性質があることから、赤ちゃんと母体に悪影響を及ぼすこともあるため注意が必要です。次にご紹介するビタミン類は、妊娠中の摂り過ぎに要注意のビタミンです。

1.ビタミンA

ビタミンAは皮膚や粘膜を丈夫にする働きがあることから、通常は体にとって大切な栄養素です。しかし、過剰摂取した場合は胎児に先天異常の発生リスクを高めるため、特に胎児の体が形成される妊娠初期は摂り過ぎに注意が必要です。

参考:赤ちゃんが生まれる前に発生する先天性奇形の基礎知識

ビタミンAの1日の摂取量は2,700ugREが上限とされますが、妊娠初期から中期では700ugER、妊娠後期は760ugREが推奨されています。

2.ビタミンD

ビタミンDはカルシウムやリンの吸収をサポートする働きがあることから、歯や骨を作るために重要な栄誉素です。しかし、過剰に摂取すると血液に含まれるカルシウムの濃度が高まることで、母体に食欲不振、下痢、嘔吐などの体調不良が現れたり、胎児の歯の形成に異常をきたすこともあります。

ビタミンDの摂取量の上限は、1日100ugですが、妊娠中の推奨量は1日7.0ugです。

3.ビタミンK

ビタミンKは血液凝固に関わる働きがあるため、不足すると出血をしたとき血液が止まらなくなる、体に欠かせない栄養素です。ただし、妊娠後期に過剰摂取した場合は、生まれたばかりの赤ちゃんに高ビリルビン血症(黄疸)が現れることもあるといわれます。

ビタミンKの上限摂取量は設定されていませんが、妊娠中は1日150ugを目安に摂り過ぎないことが大切です。

妊娠中のビタミン摂取は1日の目安量を守ることが基本

ビタミン類は健康な体を作るために欠かせない栄養素です。しかし、大量に摂り過ぎると赤ちゃんや母体に悪影響をあたえることがあるため注意が必要です。ご紹介してきたビタミンA、D、Kなどの脂溶性ビタミンは、脂肪と一緒に体に蓄積しやすいため、中毒を起こす危険があります。妊娠中は1日の摂取量を目安に、バランスよくビタミン類を摂るようにしましょう。

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