子作り期間中から出産後までどうして葉酸が必要なの?
近年、子作り期間中(妊活)から出産後までテレビや雑誌でも葉酸が必要と特集されています。その理由は、厚生労働省が妊娠前~出産後(授乳中)まで1日の葉酸摂取目安量を発表したのが主な原因です。
ではなぜ、妊娠前から出産後も葉酸を摂る必要があるのか?それには大きく5つの理由があるので、それぞれについて簡単に解説してきます。
妊娠前から出産後まで葉酸が必要な5つの理由

- 受精卵の着床力を上げる
- 先天性奇形(先天性障害)のリスクを下げる
- 流産のリスクを下げる
- 妊婦さんの貧血予防
- 産後の母体の回復
受精卵の着床力を上げる
妊活中(子作り期間)にまず意識しないといけないことは、「着床力を上げること」です。着床力を上げるためには、子宮内の環境をしっかりと整えておくことが大切です。葉酸は、「受精卵の着床力を高めて、着床後の受精卵の成長を手助けする効果もある」と言われているので、必要量の葉酸を毎日身体に取り込むことで、子宮内膜を厚く強化して着床力を高め、血液の流れを改善して子宮内の血流を促進する効果を期待するのです。
先天性奇形(先天性障害)のリスクを下げる
せっかく妊娠しても、生まれてくる赤ちゃんに障害が残る場合があります。それは、「先天性奇形(先天性障害)」です。先天性障害の一つに、神経管閉鎖障害(NTDs)があります。神経管閉鎖障害とは、中枢神経系のもとになる神経管の一部が塞がることで発症する、脳や脊髄の先天異常(二分脊椎症や無脳症)のことです。
葉酸には、胎児が体を形成する際の細胞分裂や細胞の成熟に深く関わっている大事な栄養素です。葉酸を妊娠前から推薦目安必要量を正しく摂取している場合は、神経管閉鎖障害を焼く70%~80%も下げることができると言われています。
厚生労働省が、妊娠1ヵ月前から妊娠初期(3ヵ月頃まで)の女性に毎日640μg(400μgはサプリから)の葉酸を摂るように発表しているのはこの為でもあるのです。
流産のリスクを下げる
流産の主な原因は染色体異常ですが、これを完全に防ぐことはできません。ですが、母体の負担を減らして流産のリスクを下げることはできます。
妊娠初期はとくに多くの葉酸を必要としていて、赤ちゃんへの血液の供給も少なくなります。流産のリスクを下げる為には赤ちゃんへ栄養をしっかりと届ける必要があるので、妊娠初期は特に多くの葉酸を摂取するようにしましょう。
また、妊娠初期は特に激しい運動や性行を避けて、身体に強い刺激を加えないことも必要になります。
妊婦さんの貧血予防
妊娠すると立ち眩みなどの体調不良を起こす女性は多いのですが、その原因は貧血の可能性が高いです。妊娠中は胎児に鉄分が大量に消費されるので、妊婦さんに見られる貧血はだいたいが体内の鉄分不足による鉄欠乏性貧血です。
貧血の予防はもちろん鉄分の多い食事を食べることが重要ですが、他にも造血作用のある葉酸を多く摂取する必要があります。葉酸は調理で多くが失われるので、食事だけで必要量を補うのではなく、サプリなども利用して補うのが望ましいです。
産後の母体の回復
出産後の母体は、たくさんのエネルギーを使い体力が低下した状態で、子宮にもダメージがあり非常に弱っています。ですが、出産後はすぐに子育てがスタートするので、母体の回復は少しでも早くしたいところです。
葉酸には、子宮の回復や身体の回復を手助けする作用があります。さらには、産後の母乳を作る手助けもしてくれるので、出産で弱りきった母体の回復にもってこいの栄養素なのです。
赤ちゃんの成長とお母さんの健康を守るためにも、積極的に葉酸を摂取するようにしていくことが重要です。
葉酸は妊活中から授乳期で必要な摂取量が違う?
葉酸は、妊活中から出産後の授乳中までどの期間も同じ量を取り込むわけではなく、期間によって必要な目安摂取量は異なります。参考までに、一日に必要な葉酸の目安摂取量を一覧にしました。
期間 | 推薦量 |
---|---|
妊娠前~妊娠初期 | 640μg(400μgはサプリから) |
妊娠中期~妊娠後期 | 480μg(240μgはサプリから) |
出産後(授乳期) | 340μg(100μgはサプリから) |
妊活中の男性 | 240~400μg (0~160μgはサプリから) |
上限摂取量 | 1,000μg |
上記のように、妊娠前から出産後の授乳期まで、それぞれで葉酸の必要量が変わってくるので、今自分がどの時期なのか?をしっかりと把握して葉酸を摂る必要があります。ちなみに、葉酸を過剰摂取するのは逆に副作用が現れることがあるので、1日に1,000ug以上の葉酸を摂取するのは極力避けてください。
一日に必要な葉酸の目安摂取量は食事だけでは摂れない?
葉酸を食事だけで摂ることができれば問題ないのですが、妊娠前から出産後の授乳期までたくさんの葉酸が必要になります。現代社会の20代では、食事から葉酸を摂取できている平均量は217μgと少なめです。
葉酸が一番多く必要な時期の妊娠前~妊娠初期だけではなく、葉酸が一番少なくていい時期の授乳期でも必要量に達していません。なるべく食事から葉酸を摂るように頑張っても食べすぎるとカロリーオーバーにもなりますので、できれば足りない分の葉酸は食事以外から取り込むのがベストです。
葉酸は食事だけではなくサプリでも摂る必要がある!
葉酸を食事だけで補うことができればいいのですが、妊娠前や妊娠初期は特に多くの葉酸が必要です。妊娠中期以降は1日に摂取した方がいい葉酸の量は減っていますが、酷いつわりなどで食欲がなく、食事をまともに取れない妊婦さんも多いことでしょう。
このような場合は、厚生労働省でも推薦されているように、葉酸サプリで足りない分を補う事が必要です。葉酸サプリにはたくさんのメリットがあるのでご紹介します。
葉酸サプリを摂取することのメリット
葉酸をサプリメントで摂取することのメリットはたくさんあります。
- 食事だけでは足りない分を手軽に補える
- 食事だけで補うと食べ過ぎでカロリーオーバーになるのを防げる
- 葉酸以外にも鉄分やカルシウムなど不足しがちな栄養素も摂取できる
- サプリで飲みやすいので毎日継続することができる
- つわりなどで食欲がない時でもサプリで栄養は摂ることができる
葉酸サプリを利用することは元気な赤ちゃんを産むためには欠かせないことで、食事だけでは補えない分の栄養をしっかりと摂ることができます。妊娠から出産、産後の授乳まで、母体はたくさんのエネルギーを使うので、赤ちゃんやお母さんの為にもしっかりと葉酸サプリで不足分の栄養を摂り込みましょう。
妊娠前(子作り期間中)から妊娠初期におすすめの葉酸サプリ
